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ENGLISH FOR LIFE

私と日本語:ステージ3

<私と日本語:ステージ2>の続き

 

オーストラリアで次女が生まれて、4ヶ月間は家族4人で幸せに過ごしましたが、突然次女がけいれんを起こし初めました。病院で脳波、MRI、PETスキャンなど色々検査をした結果、ウェスト症候群だと診断されました。日本でレーザーによる脳の手術を行っていると聞いて日本に戻ってきましたが、あいにく娘の病状には適応しませんでした。北海道でいろいろな病院を回って、最終的に市内にある小児センターでお世話になる事になりました。そこで検査や治療を続けていて、一時的に発作を止める事ができましたが、1年後にまた再発しました。

 

日本は小児難治てんかんの治療や抗けいれん剤がオーストラリアほど進んでいなかったので、不安になり難治てんかんの治療や発達障害を持つ子供の訓練を自ら調べ始めました。主に海外から取り寄せた保護者向けの本、研究報告や専門知識の本などを読み、初めは読むのに苦労しましたが、段々知識が増えて全体的に理解ができるようになりました。そのうち日本語の本もいくつか読み始めて、当然英語よりも難しくて、単語10個に1つくらい読めなかったので、片手に英和・和英の医療の辞書を持ちながら読んでいました。愛する娘のためじゃなければすぐ諦めましたが、根気よく頑張り続けましたので、日本語の医療用語が段々わかってきて、読むのも早くなり理解できるようになりました。娘が2歳3ヶ月の時に3女が生まれましたので、次女の病気に専念できなくなりましたし、治療も諦めつつありましたので、医療の本を読むのをやめましたが、たくさん読んだお陰で日本語を読む能力が結構高くなっていました。

 

3女が産まれてすぐEFLクラブを開校しました。仕事上で英語教育や子供発達などについて話すようになりましたが、言語習得や発達に関する単語が足りなさすぎて、英語習得やお子様のレッスンの様子などを保護者の方に説明するのに苦労しました。しかし、毎日のことなので、単語を覚えるスピードが早くて流暢に話せるようになりました。そこでまた別の日本語の問題がでてきました。

 

年々子供の英語習得への道のりの知識が増えていくにつれて、保護者の方に伝えたい気持ちも強くなりました。英語ならば話し方をうまく調整しながら自分の意見や意思を相手に伝える事ができますが、母国語じゃない日本語となると相当手こずりました。理解してもらいたいと思って強く言い過ぎて相手を怒らしては、今度はやんわり言おうと言い方を探しながら話し、あいまいすぎて相手が私の言おうとしていることを十分理解できなくなるなど、なかなかその調整がうまくいきませんでした。ましてやメールの普及に伴い、保護者の方とメールでのやり取りが増えましたので、表情、身振り手振りや言い直しに頼らず、少ない言葉の数で相手に意見を伝えるのは本当に難しいと痛感しました。日本人スタッフの言い方や自分の娘たちの懇談の時の先生の話し方を注意して聞いて真似ようとしますが、未だに勉強中です。

 

学校や大学で日本語を勉強する機会があって本当によかったと思っています。しかし、単語、文法や読み書きなどをしっかり教えてくれてよかったですが、全体的な理解力、意思疎通能力と流暢さを伸ばすような練習は少なすぎたため、日本にきた時に聞き取りや会話に本当に苦労しました。やはり言語は知識と能力をバランスよく勉強しなければ使い物にはなりません。

ライター:EFL Club 校長 Laura Macfarlane

オーストラリア出身。グリフィス大学近代アジア学部卒。日本で25年以上生活。日本語能力検定1級を取得したバイリンガルで、3姉妹の母。1996年にEFLを創立。その理念やカリキュラムの元になっているのは、自身の娘たちをバイリンガルに育てた母としての感覚、ハンディキャップを持つ次女の傍らで必死に勉強した脳の仕組みや言語訓練に関する知識、自身の日本語能力検定1級取得に至る過程から学んだこと、日本国内の様々な学校で英語指導を多数行った経験などなど。これらを通して自分が正しいと思ったことだけを、愛する生徒たちのため日々力強く実践中。

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