ダンネバード
生徒さんのお父さま(ネパール出身の方です)から、こんな素敵なカードをいただきました。
去年ネパールで大地震があったときの、日本の支援に対するお礼のカードです。
東日本大震災のとき、私の友人が東北にボランティア活動に行ったのですが、彼女がそこで出会った世界各国のボランティアの方達について教えてくれたことがあります。ネパールからもボランティアに足を運んでくれた人々がいました。暑い国から来てくれたその方たちには、まだ雪の残る寒い寒い東北は想像以上に厳しい環境だったのでしょう。歯をガチガチ言わせブルブル震えながらのテント生活に耐えて、「スマトラ沖地震のときに日本がしてくれた救援のお礼」だと言っていたそうです。
あの震災のあとは、先進国からはもちろんのこと、発展途上国と呼ばれる国々からも、「日本にとってはわずかな金額かもしれないけれど」という言葉とともにお金が送られたり、「私たちは日本と共にある」というようなあたたかいメッセージをたくさんいただいことが連日ニュースで報道されましたよね。外国語として英語しか習わない私たちは、『国際人=英語を話せる人』のような簡単な図式を思い浮かべがちですが、あれらのニュースには「真の国際人とは何か」を深く考えさせられたのをよく覚えています。
スマトラ沖地震の支援のお礼が東日本大震災の支援なら、今回のネパール大地震は東日本のお礼になるので、お礼のお礼のお礼にカードをいただいたことになりますね。
英語ででも日本語ででも他の言葉ででも、「ありがとう」や「ごめんね」などの感謝やいたわりの言葉をきちんと言える。それこそが人間にとって大切な事で、そしてその基本を身につけ、遠く離れた地の人々にも真心を持って思いを馳せる。それができる人が真の国際人なのかなーと思ったりします。
人として大切なことをあらためて感じさせてくれた素敵なカードでした。
ダンネバード。(ネパール語で「ありがとう」という意味です。)
ライター:EFL受付Atsuko
道内の高校で英語教員として15年間勤務。時代は学校の英語の授業にオールイングリッシュの授業を求め、カリキュラムや教科書が変わり始めたころ。一方で現場にいるのは、ひたすら訳読を勉強し会話の授業を受けた経験などない世代の教員たち+思春期・反抗期真っただ中の生徒たち。この状態でオールイングリッシュの授業の成立など夢物語、できたところで日本人の英会話力はあがらない、と悶々とした日々を送った愛犬家。現在は、文法が苦手な中学生高校生のお手伝いをたまにちょっとしつつ、日本人の英会話力になにが必要か、日々勉強し発信しています。