全力投球ユラナス
今日はレベル3、『ユラナス』グレードについて書きたいと思います。
小学生コースは順を追ったカリキュラムになっているので、レベル1から6まで上がっていくとどんどん内容が濃くなっていきます。レベル3ともなるとずいぶん難しいことをやっていますよ。
例えば、小学生には、すべてローラ校長の声で録音されたリスニングの宿題が出るのですが、それがまぁ容赦のないナチュラルスピード。私が聞いても「速っっ!!」ってなります。ユラナスグレードの宿題なんかはほんとにとても速いです。
その速さを、子どもたちはパッパッパと1回聞いただけで解いていきます。しかも、たいていほぼ正解なんです。たまに再生機器の不具合などで家で取り組めなかった子がスクールのパソコンを使って宿題をするとき、横に立って再生してあげるのですが、毎度びっくりします。「もっかい聞く?」と聞いても「大丈夫」と即断られます。笑
そんなユラナスグレード。
今日は ”Is that your dress?” “Yes, it is.” “No, it isn’t.”の練習から始まりました。
おやおやその発音は。「ダートゥ」?
今「ダートゥ」って言ったの?
that のことです。なんて言ったらいいんでしょうか、カタカナでは伝わりきらないかと思うんですが、子どもたちの発音、ステキなんですよ。
読めないとき、きっと多くの人が「イズ ザット ユア ドレス?」とカナをふりますよね。でも彼らの発音は「イズ ダートゥ ヨォ デュレス?」という感じです。
“Is that your shirt?” “Yes, it is.”などとペアで練習をしながら、コインを集めていきます。
英語だけでこんだけ白熱できるってすごくないですか!
「ドレス」や「シャツ」など、着るものの名称は日本語にもある言葉が多いですが、けしてカタカナ読みをせず、上手に発音をしていました。
先生にほめられていましたよ。
はい、じゃあ2回戦やるよー。
やったー!
どの子も、50分いっぱい、ずっと全力で楽しんでいる様子がとても印象的です。
レベル1や2のときよりも知っていることが増えてきて、楽しめる度合いも増しているんでしょうね。
手持ちのコインを数えて、と言われたときももちろん英語で数えます。かなり大きい数字まで、しっかり数えることができていました。さすがレベル3のユラナスですね。
さて次は、
なんか指をさしていますね。
手元を指さし…
遠くを指さし…
手元を2つ指さし…
遠くの2つを指でさす…
おわかりでしょうか。
“this”、”that”、”these”、”those”を教えていました。
英語のみのレッスンなので当然日本語は使わないんですが、「これ」「あれ」「これら」「あれら」と日本語で説明されるよりも、こうやって体を使って感覚で教えてもらうとわかりやすいですね。
だって私たち、「これら」とか「あれら」っていう日本語、めったに使わないですもんね。だから子どもだったら特に、「これら」「あれら」って日本語で言われてもピンと来ないわけですよ。
使わない和訳あるあるの代表は、”often”の「しばしば」ですね。言ったことありますか、しばしばって。
話しがそれてしまいましたが、”these”、”those”は発音も難しいですね。
そこで先生は、
まず”th”を隠して”ese”の発音だけするように子どもたちに促しました。
それができたら”th”も見せて”these”と発音します。
レベル1から継続してフォニックスをやってきているので、子どもたちはすんなりと発音できるようになっていました。
”those”も同様に教えていました。
発音ができるようになったら、カードを使って練習し、定着させていきます。
“this”と“these”がごっちゃになってしまう子には、
"these"という単語に使われているアルファベットの数を先生が“one, two, three, four, five…”と数え、
「5文字使われているでしょ?”this”の文字数より多いから、複数形の時に使うんだよ。」
と面白く教えていました。
その子は声に出して”these”や"those"の文字数を”one, two, three, four, five”と楽しそうに元気よく数え、きちんと複数形とマッチさせられるようになりました。
フォニックスの時間もあったのですが、“m”と”n”、どっちも「ンー」という発音。
舌や唇の使い方が違います。
これも、”m”は上唇と下唇を合わせた形のように見えるから、唇をくっつけて発音するんだよ、と教えていました。
先生達は常に、子どもにとってわかりやすく、小さな子でも興味を持つような教え方をしています。
フォニックスについては、日本人が苦手とする音は特に、レベル1から継続して繰り返し教わります。
“a”と
"u"
どちらも「ア」と発音することがありますが、この2つの「ア」はちょっと違います。
"u"は日本語の「ア」と同じ。
”a”は、”u”の「ア」を発音するときよりも、口を広く開ける「ア」です。
こうして将来の発音の良さに結びついていきます。
さらに、初めて見る単語だって自分の力で読めるようになっていくから、
だから
本が読めるようになるんです!
今まで教えてもらったフォニックスを駆使し、自分の力で音読します。
わからないときはもちろん先生が手助けします。
自分が発音できなかったとき、または発音してみたけど間違っているとき、すぐその場で指摘を受けたりネイティブの発音で正してもらい、即問題解消です。
今は色々な英語教材があり、CDはもちろんYoutubeでもネイティブの英語を手軽に聞くことができますが、目の前に生の先生がいるということは、こういうことなんです!
こうやって文がどんどん読めるようになると、インターネットから英文の情報を気軽に引き出したり、洋楽の歌詞を楽しんだりしながら、EFLや学校で習う以外の場所でも英語に触れ、自分で英語力を伸ばしていくことが容易になります。
さて、あっという間の50分が終わりました。
ここでもこんなに元気いっぱいなんだから、学校でもきっと元気いっぱいなんだと思うんですよ。
その学校の後にここへ来て、フル活動の50分。
疲れないのかなって、ちょっとカメラを構えて同じ部屋にいただけでぐったりの私は思ってしまいました。笑
そして楽しんでいるうちに質の良い英語が身に付くし。
お肌すべすべだし。
ユラナスの将来性、半端ないです。レベル4に上がるともっとすごいことに…。
ライター:EFL受付Atsuko
道内の高校で英語教員として15年間勤務。時代は学校の英語の授業にオールイングリッシュの授業を求め、カリキュラムや教科書が変わり始めたころ。一方で現場にいるのは、ひたすら訳読を勉強し会話の授業を受けた経験などない世代の教員たち+思春期・反抗期真っただ中の生徒たち。この状態でオールイングリッシュの授業の成立など夢物語、できたところで日本人の英会話力はあがらない、と悶々とした日々を送った愛犬家。現在は、文法が苦手な中学生高校生のお手伝いをたまにちょっとしつつ、日本人の英会話力になにが必要か、日々勉強し発信しています。